在日ベトナム人の日本に対する意識(ハーさんの論文)

日本に行って調べる事は困難なのですがWEBでもいくらか調査は可能で、日本の教会は何ができるのか

という観点からWEBで調べていたところ、同感できる素晴らしい論文に出会いました。

グェン・ファンティ・ホアン・ハーさんという神奈川に在住されている在日ベトナム人の女性の方が

書いたものです。

10年以上前のもので少し古いですが、今もそれ程の違いはないはずです。

私はアメリカに2年半ほどいた事があるのですが、英語の能力が十分でなく、随分苦労しました。

理不尽な事にも出会いましたし、悔しい事も多かったです。

外国に住んでみると、語学の能力の重要性はよくわかるものです。

日本で日本語を読めない・話せない外国人の方々の苦労は、身にしみて分かります。

ハーさんは、以下のように書いています;

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2.3 ベトナム人同士のネットワーク

神奈川県をはじめとした都市部に多くのベトナム人が居住しているが、ベトナム人同士は、

仕事や生活の面での情報をやり取りし、少しでも住みやすくするために、親族や友人などの

ネットワークを構築している。

長年日本に住んで、日本語がよくできるベトナム人が日本社会との接点となり、こうした人を中心に

情報のやりとりが行われるケースもある。 また、ベトナム人が経営するベトナム料理店に、

ベトナム人同士で集まって情報を交換し たり、つかの間の休息を楽しんだりする。

ネットワークは主に友人や家族の間でできあがり、友人が知り合うきっかけは地域の日本語教室で

一緒に勉強する、ベトナムの正月のイベントで知り合う、ベトナム料理店で友達になるなどである。

ネットワークの利点の一つは、情報の共有化である。ベトナム語では日本語のようには公的な情報が

十分に提供されておらず、求職に関する情報や病院、行政サービスなどの生活に関する情報などが、

十分に得られない。そのため、情報の流通は口コミのネットワークが非常に大きな部分を占めており、

そういった意味で同国人のネットワークは大きな役割を持っているといえる。

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どこで彼らと出会えるのか、ここから分かります。(また逆にいかに出会いにくいのかもわかります。)

もう一つ、アジア料理の食材店でも出会えると思います。アメリカではそういう食材店の出入口付近に

誰でも自由に貼ることのできる掲示板がありました。

また、ハーさんはこのようにも書いています;

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(4)問題解決をするために

まず、日本語能力を高め、生活の向上を図るために、雇う側である企業が、ベトナム人に対して、

ボランティアなどが行う日本語教室や日本語学校に通うための支援を行うべきである。

また、就労に関しては明らかに差別を行っており、国の政府機関や地方自治体もそうした企業や

外国籍の人々への支援を行うべきであり、労働条件の改善や賃金の見直しなどを行う必要がある。

そして、若者世代が社会上昇するためにも、その日本語能力のハンデに左右されず、

教育を受ける機会を提供し、受け入れ後も学習の支援体制を築くなど、今よりもさらに教育に力を注ぎ、

彼らの可能性を広げていくことが重要である

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現実問題として、企業が日本語を教えるのは容易ではないと思います。

逆に私たちクリスチャンは、特に会堂をお持ちの教会では、無償の日本語教室はできないでしょうか?

伝道の前に、先生と生徒の関係からはじめて、関係の構築ができればと思っていますが

いかがでしょうか?